さめないすーぷ

スープ料理によく使われる食材:タマネギについて


栽培上の注意点

・タマネギは高温に弱く、しかも日長(長日)に対して非常に厳密に反応するため栽培目的にあった品種を選ぶ必要がある。
  例えば北海道の春播き品種(晩生品種)を関東より西の地域で栽培すると結球に必要な日長になる前に入梅してしまい腐敗が多くなる。反対に秋播き品種(早生や中生)を北海道で栽培すると冬の寒さで枯れる。また春播きにした場合も、葉が十分に成長する前に日長に反応して結球を始めてしまうので十分な収穫を得られない。これは6月下旬から7月上旬が一番日長が長くなるからである。海外など緯度の異なる地域の品種を導入する際は何時間の日長に反応するのかよく確認する必要がある。

・品種や栽培する地域ごとの播種適期がかなり限られている。極端な早播きや晩播きでは十分な収穫が得られない。
・秋播き栽培では大苗を植えると抽台率が極端に上がるので、茎の太さが4〜5mm(およそ鉛筆の太さ)程度の苗を利用するのが良い。大苗は薬味ネギの代用に使えばよい。
元肥えが効き過ぎると冬が来る前に大きく育ち抽台の原因となる。
・晩生品種は入梅前に収穫を終えないと腐敗が多くなる。
・栽培の終盤まで窒素肥料が効くと貯蔵性が悪くなる。貯蔵目的であれば春以降は肥料を与えない。


食材としてのタマネギ
主に鱗葉を食用とするが、強い辛味・香味がある。生のタマネギはイチゴ位の甘みを持っているが、これはタマネギが光合成産物をでんぷんではなく糖の形で貯蔵するためである。従って通常の植物と異なりタマネギの鱗茎からはデンプンが検出されない。糖度は高いが辛さが強いため辛く感じる。辛味は加熱するとなくなり、甘みが出る。一般的に食べられているタマネギは『イエローオニオン(Yellow onion)』とも呼ばれる。
辛みの強さは、品種によって違いがある。一般に早生の方が辛みが少なく、晩生になるにつれ辛みが強くなる。しかしそれは、日本で栽培される品種を開発する過程で早生品種の親に甘い品種を使い、晩生品種の親に辛い品種を利用したためである。つまり早晩性と辛味には直接の関係は無い。またストレスによって辛味が強くなるため、晩生の貯蔵用品種であっても葉が青いうちに収穫してすぐに利用すれば比較的辛味が少ない。

Wikipedia「タマネギ」より