さめないすーぷ

スープ料理によく使われる食材:タマネギについて


食材としてのタマネギ
多様の料理に使われる。例えばカレーやグラタン、肉じゃがなどの煮込み料理に用いるほか、サラダならばマリネなど、そしてデミグラスソース、トマトソース類、タルタルソース、サルサ類など、各種洋風ソース類の素材としても欠かせない。ネギと同様に鍋料理や味噌汁の具としても用いられる。新たまと呼ばれる極早生のタマネギは、生で薄切りにしてもおいしく食べられる。日持ちがするため、大航海時代ニンジンやジャガイモと共によく食べられていた。
タマネギを切ると涙が出るのは、タマネギにアリルプロピオンが含まれているからである。タマネギを切った時に硫黄化合物(硫化アリル)が気化し、目・鼻の粘膜を刺激し涙が出る。これを防ぐにはゴーグル等で目を覆ったり鼻をつまむ。ほとんどにおいては鼻から侵入してくるため、目を洗い流すだけでは痛みを緩和することは難しい。換気扇を回した状態でコンロの火を着け、そのすぐ横で調理すると刺激成分が上昇気流に乗って換気扇から排出される。また、水につけながら切ると硫化アリルが水に溶けて気化しなくなる。あらかじめ冷蔵庫で数時間冷やしておくのも良い。反対に、電子レンジで加熱することでも硫化アリルの効果を弱められる。ただし、これらの方法でアリルプロピオンの効果を弱めた場合、多少味が落ちてしまう。
タマネギの種は黒ごまに姿が似ており、インドやヨーロッパにおいてスパイスの一種としてそのまま、あるいは他のスパイスと合わせて料理の香り付けなどに用いられる。
タマネギを加熱し、黄色、あめ色、茶色と褐変が進行するに従ってDPPHラジカル消去能が上昇する、との報告がある[1]。タマネギを炒めることによってメイラード反応がおこり褐色物質のメラノイジンが生成する[2]。メラノイジンは、in vitroでは抗酸化作用、活性酸素消去活性、ヘテロ環アミノ化合物(発癌物質)に対する脱変異原活性などを有するとされている[3]。
ウサギ、イヌやネコなどのほとんどの動物が食べた場合、成分に含まれる硫黄化合物が中毒を引き起こし、血液中の赤血球が破壊され死亡することがある。ペットにはタマネギを含む食品を摂取させない様、注意が必要である。(→タマネギ中毒)


その他
玉葱の名産地、北海道の北見市(収穫量は全国の約25%)では、街を挙げて玉葱を大量に使用した食品や料理(北見ラーメン・玉葱ジャム・オホーツク北見塩やきそばなど)の考案、試作に努めている。
栄養的に優れ、多産で、常温で保存可能であり、どんな国の料理にも利用できる(日本食も例外ではない)ことから、軍隊や長期間の航海に出る船舶での利用が世界各地への普及に大きく貢献した。
作家椎名誠がキャンプに最適の野菜と評している。その理由としては味がよいこと、常温で保存する事が可能であること、水で洗う必要がないこと(キャンプの場所によっては水の確保が困難である)などを挙げている。椎名は「タマネギ教」という宗教があったら宣教師になってもいいといっているらしい。

Wikipedia「タマネギ」より