さめないすーぷ

スープ料理によく使われる食材:卵について


構造と規格


卵白部
卵白部は、以下の部分からなる。

 卵白
ほとんどが水分から成り、糖鎖を持つタンパク質を含む。リゾチームを含み、弱い抗菌作用を持つ。

   外水様卵白と内水様卵白
卵殻赤道部と卵黄部周辺に存在する比較的流動性の高い卵白。それぞれ卵白の1/4程度を構成する。

   濃厚卵白
比較的粘性の高い卵白。卵白全体の1/2を占める。カラザと一体化し、卵黄を卵の中心に維持する役目も果たす。

 カラザ層
卵黄膜の外面を覆う、タンパク質から成る網目状の繊維から成る層で、卵黄極部では繊維が並行に配向し、カラザと連続している。

 カラザ
卵黄の極部から引き出されたカラザ層の延長部分。末端は濃厚タンパク質と一体化している。

これらの構造により、卵黄を、抗菌作用を持つ卵白の中心に位置させることで、微生物による汚染から守っている。


卵黄部
胚の成長における栄養供給を目的とした濃厚な部分。以下の部分に分かれる。

 卵黄膜
厚さ15μmからなる層で、基本的に水分などを通さない不透膜。

  外層
厚さ3.0〜8.5μmの、格子状の繊維が多数積層した層。

  連続層
厚さ0.05〜0.5μm顆粒状のタンパク質が並ぶ、外層と内層の間に位置する層。

  内層
網目状の繊維から成る層。外層に比べ繊維が20〜60倍太い。

 パンデル核と胚盤
実際に雛として成長してゆく中心の部分。パンデル核の中心に胚盤が位置する。

 卵黄
50%の水分と、30%の脂質、17%のタンパク質からなる。脂質とタンパク質の複合体であるリポタンパク質が多い。また必須アミノ酸にも富み、胚盤成長時の栄養供給源となる。卵黄はラテブラを中心に淡色卵白と濃色卵白が交互に層を成している。

  ラテブラ(白色卵白)
卵黄中心部にある直径5mm程度の淡色の卵黄からなる。

  黄色卵黄
淡色卵黄
濃色卵黄

  ラテブラの首
ラテブラからパンデル核へと伸びる淡色卵白からなる連結構造。

卵黄部分には抗菌性成分を含まない。先に述べたように卵白部の機能により、卵黄は微生物による汚染から免れているが、カラザや濃厚卵白の脆弱化により卵黄が卵殻と接触した状態になると微生物の汚染にさらされるようになり、急速に腐敗するようになる。

Wikipedia「鶏卵」より