さめないすーぷ

スープ料理によく使われる食材:ジャガイモについて


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発芽防止剤
アメリカ合衆国などでは、収穫後にクロロプロファムという薬品を散布して発芽を抑制する方法をとっている。日本では除草剤として登録されている農薬で、ジャガイモの発芽防止目的に使用することは許可されていない。この薬品はカナダ・米国・オランダその他の主要ジャガイモ生産国においてフライドポテトやポテトチップなどの加工用ジャガイモに普通に使用されている薬品なので、これらの国から輸入されているジャガイモ加工製品には普通に検出される。日本ではもともとジャガイモには残留基準がなく他の野菜では0.05ppmの残留基準値であったが、米国などからの圧力により1995年のWTO協定の「衛生植物検疫の措置に関する協定」(SPS協定)締結に乗じて1000倍の50ppmに改悪されたと反対派がとりあげた、いわく付きの薬剤である。クロロプロファムは、通常収穫されたジャガイモが倉庫に貯蔵された段階で薬剤溶液を霧状にしてジャガイモに直接噴霧する方法で適用されるポストハーベスト薬剤である。日本ではこのような適用の方法は、農薬ではなく食品添加物とみなされる為、農薬取締法の範疇で規制されるものとは考えられていない。 クロロプロファムは欧米人が通常の食生活において最も大量に摂取する化学合成薬品の一つであり、健康への懸念から残留基準値の見直しが進められており、すでに米国の環境保護庁では30ppm、欧州連合では10ppmへの低下が答申されているが、日本においては基準値の見直しの動きはない。
日本国内では、現在、登録されている発芽抑制剤はないが、以前はマレイン酸ヒドラジド(商品名:エルノー)が使われていた。


放射線照射
放射線であるガンマ線を照射する方法がある。コバルト60から放出されるガンマ線により芽の組織の細胞分裂を阻害することで発芽を抑制する。ジャガイモへの放射線照射は 1972年に厚生省(現厚生労働省)により認可されたが、1974年1月から道の許可を得て北海道の士幌町農業協同組合が実施しているのみである。なお、日本において放射線の食品照射が認められている食品はジャガイモだけである。
放射線照射によって直接に有害物質が生じることはなく、ガンマ線が原因でじゃがいもに放射能が生じることは起こらないと現在では捉えられている。しかし、その言葉のイメージから普及率は低く、一部からは根拠のない非難を受けることがある。また一方では放射線照射が生体に与える影響について未知の部分も多く、発芽が抑制されるという影響の他に生化学的な影響があるのではないかと危ぶむ声も根強い。

Wikipedia「ジャガイモ」より