さめないすーぷ

スープ料理によく使われる食材:牛乳について


安全性についての議論
牛乳は食物アレルギーを引き起こす可能性があるので、特に乳幼児期の大量摂取には注意が必要であるが、これは他の食物についても同様のことが言える。
また、乳脂肪を含む牛乳は「太る」というイメージがあるため、 ダイエットを行う人の間では無調整牛乳や成分調整牛乳が敬遠される傾向にある。ただ、低カロリー高タンパクというイメージを持たれることの多い豆乳と比べても、さほど脂質やカロリーは変わらない。もちろん低脂肪乳を活用しても問題ない。
栄養学者や医者の中には、様々な観点から牛乳の安全性に問題があるとの主張もあり、一般向けの書籍も数多く出版されている。主な主張とそれに対する反対の主張は下記のとおりである。いずれが正しいのかは、未だ定説となっていない。


牛乳・乳製品に含まれる女性ホルモンはヒトの内分泌系に少なからぬダメージを与えている。
 主として先進国で酪農の産業化のために70年ほど前から始まった妊娠牛からの搾乳により、現在市販されている牛乳の乳漿中のエストロゲンプロゲステロン濃度は極めて高い状態となっている。女性ホルモン濃度は、妊娠していない牛から搾乳された牛乳に比べてエストロゲンで約2倍、プロゲステロンで6 - 8倍である。これらの過剰な女性ホルモンはヒトの免疫機能を低下させるため、感染症への抵抗力を落とす。また月経障害、生殖機能低下を招き、各種アレルギー反応を助長する。女性ホルモンによる影響は牛乳及び全ての乳製品の摂取に拠る(角田(2001)参照)[8]。
しかし、妊娠牛からの乳であっても女性ホルモンの含有量は1,000pg/mlであり、他の食品と比較して多いわけではない。例えば大豆における大豆イソフラボンの含有量は1.4mg/g(1400,000,000pg/g)程度あり、このうち半分程度が女性ホルモンとして扱われる状態に変化する。


牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素ラクターゼ)を持たないヒトは、摂取によって軟便、下痢などが引き起こされる。
 これは乳糖不耐症と呼ばれるもので、人種や国、地域によって差があり、日本人はその割合が多いとされる(割合については70% - 80%と諸説あり)。先天的にラクターゼが欠損している症例は稀で、殆どは成長とともにラクターゼの活性が低下するために起きる遅発性のものである。遅発性のものについては、牛乳を適量常飲することで、ラクターゼ活性が再び上昇する可能性がある。また、ヨーグルトやチーズでは微生物によって乳糖が一部分解されているので、この問題は起きにくい(鈴木(1993)参照)。ただし、遺伝子異常などによる先天性のものと、腸などの疾病やある種の薬物の服用などによって発生することのある後天的なものについては、その限りではない。

Wikipedia「牛乳」より