さめないすーぷ

スープ料理によく使われる食材:椎茸について


栽培と流通
古来日本では古くから産したものの、栽培は不可能で自生したものを採集するしかなかった。その一方で精進料理において出汁を取るためには無くてはならないものであり、道元南宋に渡った際に現地の僧から干し椎茸を持っていないかと問われた逸話があるほど高価な食材であった。
江戸時代から、原木に傷を付けるなどの半栽培が行われ始めた。シイタケ菌が原木に付着してシイタケの生育が見られるかどうかは全く不明であり、シイタケ栽培は成功した場合の収益は相当なものであったが、失敗した場合は全財産を失うほどの損害となる一種の博打だった。
人工栽培の方法は20世紀に確立されたが、最近では原木栽培または菌床栽培されたものが市場流通品の殆どを占める。2006年10月1日からは、商品に必ず原木栽培品か菌床栽培品かを表示する事が義務付けられている。
現在では人工栽培の方法が諸外国にも普及しているものの、日本産干し椎茸は本場ものとして台湾、香港などで人気があり、各地の業者が輸出をしている。


人工栽培
一般的にシイタケの原木栽培(ほだ木)では長さ1m程度に切断した広葉樹を原木として利用する。作業性を考慮し直径10〜20cmの樹を利用する事が多い。原木は秋から初冬に伐採し、過度な乾燥を避け保管し翌早春に種菌を接種をする。種菌を接種した原木は、約1年を森林の下に寝かせ菌糸体の蔓延を待つ。種菌の接種から16〜18ヶ月経過後にほだ場と呼ばれる栽培場所に移し、柵に立てかけるように原木を並べて子実体の発生を待つ。子実体が発生するのは、通常種菌を植え付けてから18〜24ヶ月後で、3〜4年間収穫(採集)が可能である。品種改良が進んでおり、シイタケが発生するのに最適な時期はそれぞれの品種によっても異なっている。その地域の気候に最も適した品種を選択し栽培することが、大切である。

原木栽培に於いて、落雷が発生するとその周囲でシイタケが異常発生することが、生産者の間では経験的に知られている。この異常発生の理由は十分に解明されていないが、伏せ込みの時期の原木に人工的に交流の高電圧パルスを与えた栽培実験では、2〜3倍の収量が得られた事が報告されている。

Wikipedia「シイタケ」より