さめないすーぷ

スープ料理によく使われる食材:コショウについて


産地
原産地はインド南西マラバル地方。現在ではインド、インドネシア、マレーシア、ブラジルが主な産地。


歴史
胡椒は、ピペリン(piperine)による抗菌・防腐・防虫作用が知られており、冷蔵技術が未発達であった中世においては、料理に欠かすことのできないものでもあり、大航海時代に食料を長期保存するためのものとして極めて珍重された。ヨーロッパの様々な料理に使われており、またその影響を受けた様々な料理でも使われている。このため、インドへの航路が見つかるまでは、ヨーロッパでは非常に重宝されていた。取引には、金と胡椒が同重量で交換された時代もあった。特に古代ギリシア、ローマ時代では一握り分の胡椒で最高の奴隷10人を雇えると言われたほどであった。ゲルマン部族のリーダーであったアラリック1世はローマ帝国に侵略を控える代わりに金、銀、そして胡椒を貢物として要求した。


中国では西方から伝来した香辛料という意味で、胡椒と呼ばれた(胡は中国から見て西方・北方の異民族を指す字)。日本には中国を経て伝来しており、そのため日本でもコショウ(胡椒)と呼ばれる。トウガラシが伝来する以前には辛味の調味料として現在よりも多用されており、うどんの薬味としても用いられていた。現在でも辛味の調味料としてさまざまな料理に用いられている(「胡椒茶漬け」という料理があったという記録もある)。
日本の九州北部地方をはじめ各地で、南米原産の唐辛子の事を「胡椒」と呼ぶ事がある。一説には大陸(唐土)との交易で潤っていた地域では「唐枯らし」に音が通ずる「トウガラシ」の呼び名を避けたためといわれる。主に九州北部にて製造される柚子胡椒などは唐辛子を使って作る。P. nigrumは「洋胡椒」と呼び区別する。

Wikipedia「コショウ」より