さめないすーぷ

スープ料理によく使われる食材:鰹節について


枯節のカビは当初自然発生させていたが、昭和以降は純粋培養したカツオブシカビ(コウジカビの一種、学名Aspergillus glaucus)を噴霧することで完成までの日数短縮と、好ましくないカビが発生する問題の回避を行なうのが主流になっている。
1883年(明治16年)に東京の上野公園で「第一回水産博覧会」で、1908年(明治41年)に「大日本水産会第一回鰹節即売品評会」が開催されるなど、各地で鰹節の品評が行なわれ、東の焼津節・西の土佐節の品質が高く評価された。
明治以降、尖閣諸島魚釣島や日本が国際連盟委任統治領としていた南洋諸島(南太平洋の島々)や20世紀に日本が統治をしていた台湾でも製造されるようになった。特に南洋ものは安価であったことから大いに市場を拡大したが、南洋諸島第二次世界大戦後に日本の統治を離れたことで、この地域での鰹節産業は終焉を迎えた。しかし、台湾では、日本食品として鰹節の利用も根付いた。「柴魚」と呼び、現在も東部の台東県花蓮県で製造されており、麺線などの台湾料理のスープを取るのにも用いられる。花蓮県新城郷には「七星柴魚博物館」という鰹節をテーマにした博物館がある。


モルディブ起源説
上記の他にも起源説がある。
鰹節が広く伝統的な食習として定着している国は、日本だけであるが、インド洋の島国モルディブにはモルディブ・フィッシュ(Maldive fish)と呼ばれる、サバ科のハガツオ(Sarda orientalis)を原料とするカビ付けをしていない荒節が古くからある。これは、交易によりモルディブから東南アジアを経由して日本に鰹節の製法がもたらされ、その後日本においてカビ付けの工法が考案されたとする説であり、これにより、沖縄が日本における鰹節の最古と言われている[1]。モルディブ・フィッシュは、スリランカ等を含む周辺地域で郷土料理の味つけに用いるが、カビ付けの工程を経ていない荒節であるために削って用いるのではなく、袋に入れて棒でたたき割ってから用いる。手間を省くために工場で粉砕した粗い粒状の製品も市販されている。しかり、明確な流通過程などは証明されておらず、似たものがあったという程度の説である。

Wikipedia「鰹節」より