さめないすーぷ

スープ料理によく使われる食材:コンブについて


上記の堺でも「おぼろ昆布」が発達し、また北前船の集積地でもある敦賀でも「おぼろ昆布」技術が発達した。おぼろを削ったヘタの部分は爪昆布と呼ばれ、お菓子として食べられることがある。また、爪昆布は煮込むとコンブ特有の粘りが強く出ることから、煮物などの調理の際に煮汁とともに入れ、その粘りを利用して表面に浮いた灰汁取りを容易にするといった使い方もなされる。その他昆布の加工品といえば、塩昆布(日高昆布)が連想されるが、戦国時代の出陣の際、勝ち栗や喜ぶなどの縁起を担いだ出陣式に醤油で炊かれた塩昆布は細目昆布を醤油で煮込んだものと思われる。
醤油で炊かれた塩昆布を火鉢の網の上に並べて乾燥させては醤油につけ、網の上で3回乾燥させたものを「汐吹き昆布」といった。粉が表面に吹いているように見えるが、これは昆布のうまみ成分が結晶化したものである。現在では、イノシン酸や昆布のグルタミン成分などの調味料をまぶす場合もある。


江戸における昆布
ダシの材料として「鰹節」が多く使われていた江戸においても昆布が消費された。江戸時代に江戸佃島では、昆布などの海藻などを醤油などで煮しめた料理が多く作られ「佃煮」と呼ばれるようになった。


発酵食品分野に昆布が登場
近年、発酵食品のひとつに発酵塩昆布が考案された。もともと、昆布には硫酸基をもつ物質が含まれており、菌の繁殖を妨げていたのであるが、この硫酸基に影響を受けずに昆布を発酵させる菌が海底生物から見つかったことで、発酵塩昆布の開発に拍車がかかった。昆布を発酵させる技術は、宝酒造協和発酵キリン、こうはら本店がそれぞれ独創的な技術を持つ。


医療での利用
乾燥した昆布は水分を吸収すると膨張するという性質をもつ。この性質を利用して、医療用拡張器の原材料として昆布が利用される。子宮頸管等の拡張に用いられるラミナリアがそれである。原材料は主にオニコンブ(別名羅臼昆布、学名 Laminaria diabolica Miyabe)の茎根である。

Wikipedia「コンブ」より