さめないすーぷ

広い意味でのワイン作りはブドウの栽培と醸造に二分できるが、ワイン産地ではワイン作りと言えば醸造(英語ではwinemaking)を指し、醸造学は英語でエノロジー(oenology/enology)と言う。これに対しブドウ栽培(英語でgrapegrowing)の技術や学問はヴィティカルチャー(viticulture)と呼ばれる。海外の大学はブドウ栽培と醸造学の両コースを持つのが普通である。
ワインの生産主体はフランスのボルドー地域においては「シャトー」、ブルゴーニュ地域においては「ドメーヌ」と呼ばれることが多い。フランス語の「シャトー」は、もとは城館をあらわす言葉であるが、ボルドー地域においては転じてぶどう園や管理場、生産者のことをも指す。主なものではシャトー・ムートン・ロートシルト、シャトー・ラフィット・ロートシルトシャトー・マルゴーシャトー・ラトゥールなどがある。イタリアにおける「カステッロ」、ドイツの「シュロス」、スペインの「カスティーリョ」も同様である。「ドメーヌ」は、フランス語で「土地」をあらわす語である。カリフォルニアワインなどで「エステート」という語を使っているのもドメーヌと同義である。


ワイン製造業におけるシャトーは、主としてワイナリーそのものを指し、建築物としてのシャトーがドメーヌに付属していなくともこう呼ばれる。ボルドー地方に多く見られる。シャトーでは「領地」としてぶどう畑を持っているところが多く、伝統的にワインが生産されてきた。18世紀ころになると、シャトー同士がワインの品質を競い合うようになり、世界に誇る高級ワインが生産されるようになった。
ぶどう畑の主が自分の畑で採れたぶどうでワインを作り、瓶詰めするという点では、ボルドーのシャトーとブルゴーニュ地方のドメーヌとは同じだが、ドメーヌが1ha程度の畑しか持たないのに対し、シャトーは数十ヘクタールの畑を持つところが多く、また、ボルドーではシャトーにランク付け(格付け)が行われている。
なお、現在では、ボルドーの周辺のアキテーヌ地方やローヌ地方でも「シャトー」を名乗るワインがあり、南部のラングドックではAOCより下位のヴァン・ド・ペイクラスにもシャトーを称するワインがある。
Wikipedia「ワイン」より