さめないすーぷ

香辛料について


●ケシ
食用として
種子は煎ると香ばしく、あんパンやケーキに振り掛けたり、七味唐辛子に混ぜるなどして使われる。和菓子の松風には必須の材料である。中央ヨーロッパから東ヨーロッパではポピーシードで作った餡状のペーストをシュトゥルーデル、シュトレン、パイ、ハマンタッシェンなどの菓子のフィリングとしてよく用いる。モルヒネの含まれていない品種は特にポーランドのパンやケーキに大量に用いられることが広く知られている。東インドでは、種子をすりつぶして煮込み料理に加える他、ケシの実のチャツネも作られる。
栽培品種にもよるが、種子にはモルヒネが含まれていないか、含まれていてもごく微量である。長年にわたって食用に供されてきた歴史があるため、普通どの国においてもポピーシードは規制対象となっていない。日本においても『あへん法』では種子は取り締りの対象から外されており、ゆえに所持していても法的には問題にならない。しかし発芽すると法に触れるので、日本で販売されているケシの種子は加熱による発芽防止処理が施されている。
例外としてシンガポールのように微量であってもモルヒネが含まれていることを問題視し、ポピーシードの使用そのものを禁止している国もある。またアメリカには、ポピーシードを材料に用いた菓子を食べて尿検査で陽性反応が出てしょっぴかれた、といった類の笑い話がある。
また種子には多量の油分が含まれているため、これを絞ったけし油(ポピーシードオイル)も食用や石鹸の製造、油彩画の絵の具を溶く描画油に使われる。けし油は植物油としてはかなり高価な部類に入るので、一般的には食用よりはむしろ描画油として使用される。

Wikipedia「ケシ」より