さめないすーぷ

香辛料について


●ケシ
医薬品及び麻薬原料として
本種の未熟果に傷をつけると出てくる乳液からアヘンが穫れ、それを精製したモルヒネや、モルヒネを化学的に変化させたヘロインは麻薬に指定されている。しかし完全な麻薬であるヘロインはともかく、モルヒネは鎮痛鎮静剤として医学薬学的に重要であり、特にがん患者の激痛を和らげたりペインクリニックでの治療に不可欠である、適切な使用に基づけば依存症に陥ることも少ない。なおアヘンやモルヒネについての詳細は当該項目を参照されたい。


闇市場における商品価値
本種には犯罪者の資金源としてビルの屋上やマンションの一室で栽培され、それが往々にして摘発される、といったイメージがあるが、これはケシと大麻を取り違えていることによる誤解である。麻薬原料としてのケシは、
樹葉すべてが薬物としての商品価値を有する大麻と異なり、ケシの麻薬として商品価値のある部分は乳液を固めたアヘンなどごく一部であり、利益率が低い。
へら掻きによるアヘンの採取は人手、手間、時間といったコストもかなりかかる。その割に得られる量はごく僅か(1kg のアヘンを得るのに、ケシの実が約2000本が必要)である。
そうして集めたアヘンも、効き目がモルヒネやヘロインより数段劣るため麻薬としての商品価値はかなり低い。価値を高めるには精製、及び化学的に加工する必要があるが、そうすると量がさらにアヘンのときの 20〜25% までに減る。
有機溶媒を用いて化学的に麻薬成分アルカロイドを抽出する方法は効率的だが、大がかりな装置が必要となるので必然的に発覚しやすい。
といった短所を抱えている。 本種を資金源に利用する側からすれば、リスクを冒して違法栽培をするより、政情不安地域で国際条約を無視して生産したそれを密輸したほうがはるかに手早く、そのような地域からの輸入は金銭的なコストも安く済むことは容易に想像できる。

Wikipedia「ケシ」より