さめないすーぷ

スープ料理によく使われる食材:コンブについて


コンブの収穫は、小舟から昆布の根元に竿を差し入れねじり取る。海岸で押し寄せてきたコンブを拾ったり、鈎でたぐり寄せる方法もある。次に、小石を敷き詰めた干場に運び並べて干す。1〜2回裏返しにし、まんべんなく乾燥させる。乾燥しすぎると折れやすくなるため加減が必要である。乾燥時間は半日程度だが、この間に雨に当たると商品価値はなくなるので、天気予報で雨が確実な日は出漁を見合わせることもある。天日ではなく乾燥機で干す方法もあり、品質は落ちるが、濃霧や日照不足などの理由で乾燥機の使用頻度が多い地域もある。コンブ干しは短期決戦のため、干し方専門のアルバイトが募集されるほか、コンブ漁場の近くに番屋を張り寝泊まりする地域もある。


コンブの主な産地は北海道で、特に真昆布、羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布(三石昆布)、長昆布が知られ、先頭のものほど高級品として知られる。

 マコンブ Saccharina japonica(真昆布)
主に津軽海峡噴火湾沿岸で獲れる道南産のコンブ。非常に多くの銘柄と格付があり、旧南茅部町周辺(現在は函館市)に産する真昆布が最高級品とされ、「白口浜」という銘柄で呼ばれる。そのほか旧恵山町周辺で産する黒口浜、津軽海峡の本場折、それ以外の海域で取れたものを場違折などの銘柄に分ける。市場価値もおおよそこの順番となるが、銘柄内でも品質により数段階の等級に分けられる。だし汁は上品で透き通っていて、独特の甘味がある。大阪ではこの味が好まれ、だし昆布といえば、大抵この真昆布を用いる。また、他の用途としておぼろ昆布、白髪昆布など薄く削った加工品がある。

 オニコンブ Laminaria diabolica(羅臼昆布)
真昆布と並ぶ昆布の最高級品である。濃厚な味のため、関東地方ではだし昆布として、この羅臼昆布が好まれる。北陸の富山などは一大消費地である。

 リシリコンブ Laminaria ochotensis(利尻昆布
真昆布や羅臼昆布に次ぐ高級品で、味は前者より薄いが、澄んでおり、やや塩気のある、上品なだしが採れる。そのため、懐石料理では重宝され、とりわけ京料理には欠かせない。京都では最も一般的なだし昆布である。

Wikipedia「コンブ」より