さめないすーぷ

搾り出された液体は、ステンレスやコンクリート製のタンク、木製(主にフレンチオーク、一部ではアメリカンオークも使用される)の樽に貯蔵される。木製の樽を利用するとその香りなどがワインに影響し、その効果が良い評価を与えられることがある。一方ステンレス製のタンクではワインへの影響がないため品質管理がやりやすくなるという利点があり、近年はステンレス製タンクを利用する生産者も増加している。熟成期間は数十日から数年とさまざまである。底にたまった滓(おり)は随時回収する。二酸化炭素を大気中に発散させず液中に封じ込めた物はスパークリングワインとなる。なお、ブドウとリンゴ(シードル)では二酸化炭素のとけ込みやすさが異なる。
この後、赤ワインでは乳酸菌が投入される場合があるが、乳酸菌による発酵がマロラクティック発酵(MLF発酵)で樽内熟成行程のひとつ。これを「熟成」とも呼ぶ、MLF発酵作用自体は酸味の主成分であるリンゴ酸の乳酸と二酸化炭素への分解で、ワインに対する変化は酸度の減少と微量芳香成分の付与である。良好なMLF発酵を行わせるため温度は15〜18℃で12℃以下では起きない、多くの場合MLF発酵が行われるのは冬期の寒冷期である事から近代的な製法では加温管理される。更に、ワインのpHは3.1〜4.0の範囲に無ければならない。pH4.0を越えると、MLF発酵は失敗しやすくなる。但し、最適なpHは使用される乳酸菌によって異なっている。
日本酒に対しこの菌が作用すると腐造となる。乳酸菌としては、ホモ型 Lacobacillus paracasei , Lb. plantarum , ヘテロ型 Leuconostoc mesenteroides が作用をもたらす。


澱引き(おりびき)
発酵が終わったワインは、酵母や酒石(酒石酸水素カリウム)などの澱が沈降するため、セラミックフィルター、遠心分離、ろ過、静止などにより澱を分離する。また熟成期間中のワインも、澱が生じるので適宜、澱引きを行う。発酵を停止させる方法は、静止のほか冷却し酵母を沈殿させたり、50℃程度までの加熱を行い酵母を死滅する方法が用いられる。また、蛋白質を除去し透明化させるため、卵白やベントナイトという粘土などを添加する方法はコラージュ(collage)と呼ばれ、高級赤ワインでは広く行われている。
Wikipedia「ワイン」より