さめないすーぷ

醸造のいくつかの段階で酸化防止剤としても知られる二酸化硫黄(亜硫酸ガス, SO2)またはその塩(ピロ亜硫酸カリウム)が添加される。亜硫酸には、雑菌の抑制および殺菌、葡萄の皮に含まれる酸化酵素の阻害、果汁中の色素の固定、ワインで発生することのある過酸化水素の除去、酸素の除去(ただし反応は遅い)等の様々な重要な働きがある。亜硫酸は人体に有害な物質としても知られるが、フランスのワイン法では必ず亜硫酸を添加することを義務付けているように少量であればほとんど問題はない。しかしこれを気にして添加をしない製法もあり、商品化はされているがまだ研究段階と言え、これらは往々にして品質のバラつきが大きい。また、日本やヨーロッパ諸国、アメリカなどでは、製品中の亜硫酸濃度が厳しく規制されている。酸化防止剤の添加を行わない場合は、発酵させるタンク内の空気を窒素置換することで酸化及び腐敗を抑制する手法が多く用いられる。


醸造するには、まず葡萄を収穫しなければならない。葡萄の収穫は糖度が14〜26度程度になったところで、鋏または機械で行う。収穫時期をいつにするかということもまたワインの味を決める重要な要素で、単純に糖度が高いだけでは酸とのバランスが悪い物になる。この際に病気のもの(腐敗果)・生育が悪いものは(必要以上に酸をもたらすため)取り除く。この過程を選果という。
伝統的なワインの製造(発酵)方法は、ブドウの芯(果梗)を取り除き(除梗:じょこう)、実の皮を破る(破砕)。産地によっては、ワインにより強い渋みを付けるため果梗を混ぜる場合がある。スペイン、イタリアの農村では収穫期には伝統的に村人総出で、素足で体重を掛けて搾汁する光景が見られる[5]。最近のワイン工場ではステンレス製の除梗破砕機を使用し搾汁する[6] 。この次に赤ワインでは果皮や果肉の混ざったままの果汁を発酵させ、白ワインでは圧搾機にかけて果汁を搾り出した(搾汁)後、果皮や果肉は捨てて発酵させるが、一部の白ワインではスキンコンタクト法と言い「破砕した果実と果汁を1〜24時間接触させた後に搾汁する」方法も取られる。ロゼには様々な製法がある。多くのワイン専用品種では収穫した果実重量の55〜65%程度の果汁が得られ、大粒生食用品種の巨峰等では80〜85%程度の果汁を得る。渋みとなるタンニンは果梗や果皮或いは種子に由来し、タンニンはアルコールによって溶出する。
Wikipedia「ワイン」より